精神分析研究

抑圧のメカニズム、思考が抑圧され無意識になる、フロイトの症例エリザベート

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自分にとって嫌な出来事や、受け入れらない不快な出来事は、
抑圧されて無意識に追いやられて、意識に上らないようになる。
ということは、無意識とは、いままで抑圧してきたものでできています。

無意識に追いやられた抑圧されたものは、そのままずっと封じ込められているわけではなく、スキあらば意識に上がってこようとします、それが言い間違いや、錯誤行為です。

さらには理由のわからない体の痛みや、違和感などは、抑圧されたものが転換され身体的症状として回帰している、ということもあります。

フロイトの症例、エリザベート

エリザベートは、原因のわからない脚の痛みによって、歩くことが困難な状態になっていました。

エリザベートはフロイトのもとに訪れ、自由連想法の元となった前額法により、抑圧されていた事を語りました。

エリザベートには二人の姉がいて、次姉の夫に好意を持っていました。

エリザベートは家族全員で避暑地に出かけた時に、好意を持っていた次姉の夫と二人きりで散歩をすることがありました、その後、同じ場所に再びエリザベートが一人で訪れたときに、彼女は、父を亡くし、母の看病をしなくてはならない今の自分の境遇に嘆きました、そして次姉の夫と結婚して幸せになりたいという想いを抱きました。
エリザベートの両足が痛くなり始めたのはその頃からです。

その後、次姉が病で亡くなり、エイリザベートは悲しみにくれていました。
フロイトの前額法で、次姉や次姉の夫の事を話していると、エリザベートの両脚はさらに痛みを増しました。
そして、エリザベートは姉が亡くなった時に湧き上がった、ある考えをフロイトに語ると、両脚の痛みは消えたのでした。
その考えとは「姉が亡くなったらから、これで義兄さんと結婚できる」という考えでした。

姉が亡くなって悲しいのと同時に浮かび上がってきたこの考えを、エイザベートは受け入れることができずに、抑圧して、両足の痛みをより強固なものとしていたのです。
それをフロイトの前額法で思い起こして、自らの口で語ったことで症状はなくなりました。

 

受け入れがたい思考のみが抑圧される

思考と情動は結びついてセットになっているものですが、エリザベートの症例からもわかるように、情動から切り離された思考が抑圧されていました。

このように考えると、無意識は抑圧された思考によって構成されていることになります。
そして思考は「これで義兄さんと結婚できる」などの言葉によって成り立っています。
精神分析の目的は、無意識に抑圧された思考を読み解くことです。

 

なんだかわからないけど悲しい、のメカニズム

抑圧のメカニズムは、不快な出来事や、受け入れがたい出来事のうちの思考だけを抑圧し無意識化するというものでした。
そうすると、その思考についていた情動が残されるわけになります。

なにもないのに悲しい、なんだかわからないけど不安、気持ちが落ち込む、憂鬱になる、罪悪感を感じる。
など、理由がわからないけど、情動だけがあるということを経験したことがある人は、その情動にもともと結びついていた、思考があったはずです。
でもその思考は、受け入れがたい考えだったので、抑圧され無意識の世界にとどまっているのです。

その思考がなんであったかを、知るのは容易ではありません、自分で抑圧の蓋をあけるのは難しいし、あえて知る必要はないのかもしれないです。
せっかく抑圧のメカニズムが働いて意識に上がってこないようになっているので、そっとしておいた方がいいって事もありますから。

それでも、自分の無意識を知りたいと思ったら、自分の夢を分析してみることです。
自分では完全に分析することはできませんが、無意識の一端を知ることは可能です。

 

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